僕の彼女はジャニーズオタク、つまりジャニーズの熱狂的なファンである。
彼女の部屋はどこを見渡しても関ジャニ∞のポスターが貼られており、
その範囲はトイレにまで及んでいる。
「私という彼女がいるのにAKBに熱中するのはおかしい」
「俺とジャニーズのどっちが好きなんだよ」
これは若いカップルの間でよくある喧嘩なのだが、まずはっきり言っておこう。
それは間違った考え方だ。
恋人に向ける感情と、アイドルへ向ける感情は多くの場合ベクトルが違う。
もちろん例外もある。
週刊誌にジャニーズタレントの熱愛報道がリークされると「◯◯君はあの女に騙されている」「××は誰にでも手を出す女だ」「これは××の売名行為だ」などと、途端に交際相手の悪口を唱え始めるファンがそれに当たる(そしてその行為は一般的に「過激派」と呼ばれる)
それに、「自分という彼氏(彼女)がいるにもかかわらず他の男(女)に憧れるのはおかしい」と相手に言ってしまうのは、同時に自分の器の小ささや自信の無さを露呈することになる。
ではどうすればいいのか?
答えは極めてシンプルだ。
それは、
「ジャニーズよりいい男になる」
ことである。
そんなの無理だと思う人が多いだろう。
しかし、これから僕が紹介する2つの作戦を実行すればそれが可能となる。
まずは1つ目。
…確かに、ジャニーズのタレントはイケメンで話も面白く、更に歌って踊れるという、男のモテ要素をことごとく所持している、いわば全ての女性の理想形を体現している男性達だ。
多分どう頑張ってもジャニーズよりイケメンになることはできない。
確かに僕は昔このブログの記事で「アイプチ」を使う実験をして、
ある程度の段階までイケメンにはなることができたが、錦戸君や大倉君たちに比べたら遠く及ばない。
ジャニーズよりイケメンになるのは無謀な挑戦だ。
しかし、だからと言ってここで諦めるわけではない。
物事は考え方次第だ。
ジャニーズより格好良くなれないのであれば、ジャニーズからその格好良さを借りればいい。
そう、借りるのだ。
意味が分からない人がほとんどだろう。
ではここでこのスライドを見てほしい。
これは、ジャニーズのコンサートの代表的な応援グッズである「うちわ」だ。
上の写真は公式で販売しているタイプのものだが、これを使わずに自分でオリジナルのうちわを作って持っていく人も多い。
僕はここにチャンスがあると考え、自分のうちわを作ることにした。
こちらだ。
ちなみに僕は写真を印刷するためのプリンターを持っていなかったので、セブンイレブンのマルチコピー機で印刷したのだが、
コンビニのコピー機からA3サイズの自分の顔が出てくる過程は、
正直なかなか緊張した。
ここからは簡単で、はさみや糊を使い、用意した白いうちわに自分の顔を貼るだけだ。
そして最後に、
裏面に「大好き」と書かれたデコレーションシールを貼れば、
完成だ。
これを翌日関ジャニのコンサートへ行く彼女のバッグの中に忍ばせるのだが、その意図を説明しよう。
まずは概要を記したこのスライドを見てほしい。
コンサート中に関ジャニのメンバーが自分のシートの近くまで来たら間違いなくドキドキするだろう。これは当たり前のことである。「海は青い」くらい当たり前のことだ。
今回はその「ドキドキ」を利用させてもらう。
さて、「吊り橋理論」という言葉を知っているだろうか。
簡単に説明すると、吊り橋を渡っている最中に出会った人物に恋愛感情を抱いてしまう現象で、これは吊り橋を渡っている緊張感(=ドキドキ)が出会った人に対するドキドキにすり替わってしまうことによる。
このうちわを吊り橋理論に当てはめてみよう。
目の前にいる関ジャニメンバーに「大好き」のメッセージを伝えるためには、うちわの「大好き」面を彼ら側に向けなければならない。
彼らに「大好き」面を向けるとどうなるか?
そう、彼女の目の前には僕の顔が現れるのである。
その結果、吊り橋効果によってドキドキの気持ちがメンバーから僕に替わり、そのままジャニーズオタクから彼氏オタクにすり替わってしまう、という作戦だ。
しかしこれは一時的な錯覚にしか過ぎない。
彼氏オタクにするにはもっと長い目で物事を考えなければならない。
それについては作戦その2で解決する。
関ジャニといえば、誰を思い浮かべるだろうか。
人それぞれだとは思うが、僕は錦戸君をイメージした。
錦戸君はイケメンであり、歌も踊りもできて、度々ドラマや映画の主演に抜擢される演技力も持っている。
日本中の女性が憧れるのは無理も無い。
しかし、錦戸君と遊んだり、錦戸君に肩を揉んだりしてもらうことはできるだろうか。
いや、できないだろう。
錦戸君と僕は恐らく持っている役割が違うのだ。
冒頭でも述べたが、アイドルへの感情と彼氏(彼女)への感情は性質が違う。
それを履き違えてはならない。
そう、2つ目の作戦とは、「彼氏力」を上げることである。
彼氏力とは?
例えば、プレゼント。
「プレゼントはジェラートピケのルームウェアです!」
「わあ、かわいい、ありがとう!」
確かに、現実はそう簡単にうまくいくものではないが、この僕の理論は間違ってはいないと思っている。
そして、僕はあることを思いついた。
彼女は数日後に関ジャニのコンサートを控えていた。
ジャニーズのコンサートは、会場付近で行うグッズ販売も1つの大きなイベントになっており、その販売ブースは毎度非常に混雑する。
しかし、12月の寒空の下行列に並ぶのは大変だ。
そこで僕は彼女の代わりにグッズ販売所に並ぶことにした。
そう、これが1つの「彼氏力」である。
ジャニーズのファンのほとんどは女性だ。
ジャニーズのコンサートに来てくれる彼氏を見たことはあるだろうか。
…実は、
ここに1人いる。
やはり見渡す限り女性ばかりだ。
グッズ販売ブースにたどり着いた。
本来、男1人でジャニーズグッズの行列に並ぶのはなかなか勇気が要ることだ。
しかし僕はかねてより数々の特別な訓練を積んでいるので、
これくらいははっきり言って余裕である。
それに、僕は彼女の代わりにグッズ販売に並ぶほどの彼氏力の高い男なので、全く臆する必要は無いのだ。
そして僕は1時間弱行列に並び彼女に言われていた通りパンフレットやポスター等を買ったのだが、
それに加えて、
このトートバッグも購入した。
これは僕からのサービスであり、沢山のグッズを持ち歩くのは大変だろうと思っての配慮である。
ここからも僕の彼氏力の高さが伺えると思う。
そして開演30分前、遅れてやってきた彼女と合流した。
なんていい彼氏なんだろうか。
自分でもいい彼氏だと思う。
アイドルに求められる要素と彼氏に求められる要素は違う。
僕はそれを理解している。
この記事のタイトルを見て、「ジャニオタから彼氏オタにするのなんて不可能だ」と思った人も多いだろう。
何に置いても、着眼点を変えてみることが大切だ。
「自分には無理だ」「これは私にはできない」…。
そうやって簡単に自分の夢を諦めるのは良くない。
物事に行き詰まった時は、視野を広げてみればいい方向に進むこともあるのだ。
そう、僕のように…。
「え、かばんも買ったの?」
「うん、まあこれは僕からのサービスだけどね。」
「いや、グッズならかばんに入るし逆に荷物になるんだけど…。」