「女子会」という行事がある。
その名の通り、仲の良い女子が複数名集まって開くパーティーのことだ。
数年前に生まれたこの言葉だが、今も様々な場所で目にする。
レストランのウェブサイトを見れば「女子会プラン」、旅行代理店のパンフレットを見れば「女子会割引」…。
何だか女子ばかり楽しそうでずるいと思わないか?
僕も女子会がしたい。
しかし、僕は男子である。
では僕は女子会への夢を諦めなければならないのだろうか。
…いや、そんなことはない。
僕は男1人でも女子会はできることを証明してみせたい。
そこで、僕は「おうち女子会」を行うことにした。
「おうち女子会」とは、家(=おうち)の中で開かれる女子会のことである。
上の写真1枚でいかに僕の女子力が高いかが分かると思うが、1つ1つ紹介していくことにする。
まず、装飾としてハートのバルーンを壁に取り付けた。
手軽に可愛らしい雰囲気を作ることができる便利アイテムだ。
僕は何に関しても雰囲気を大事にする人間だ。
そして雰囲気とは、目に見える物だけではない。
これを見てほしい。
アロマポットだ。
いい匂いがする。
では肝心の料理を見ていこう。
①…シーザーサラダ
②…チョコレートフォンデュ
③…スイーツ盛り合わせ(←正式名称があれば教えてほしい)
の3点だ。
今回は僕1人なので、量もちゃんと1人前に抑えている。
食べきれる量だけを用意して無駄を無くすのが僕の女子力だからだ。
お分かりいただけただろうか。
これが「おうち女子会」である。
まず何から食べるか?
もちろんシーザーサラダからだ。
僕は今回の女子会はオーガニック志向で行いたいと思っていたので、有機野菜をわざわざ買った。
ドレッシングも市販の物ではなく、クックパッドで人気ナンバー1のレシピを参考に作っている。
(僕はクックパッドのプレミアム会員なので「人気順」に検索結果を並べることができる)
更に、僕は女子力が高いので、率先してサラダを取り分けることができる。
味は、もちろん美味しい。
有機野菜を使っているし、ドレッシングもクックパッドの人気ナンバー1だからだ。
あまりに美味しかったので、1分30秒で食べ終わってしまった。
次はメインのチョコレートフォンデュだ。
「おうち女子会」=チョコレートフォンデュと捉えている人も多いと思う。
やはりこれは外せない。
チョコレートフォンデュの具材といえば、何といってもやはり苺だろう。
また、焼いたパンもチョコレートと合う。
フランスパンを買おうと思ったが、家に食パンが余っていたのでそちらを使うことにした。
なるべく家にあるもので済ませるのも、また女子力である。
そして、気になっていた方も多いと思うが、今回最も女子力の高いメニューがこちらだ。
この2段のケーキスタンドは、「フライングタイガー」という、女性に人気の北欧系でプチプラ(petit price=お手頃価格)な雑貨屋で購入した物だ。
上段は、カラフルな色合いが可愛いマカロンと、流行のカップケーキだ。
夏休みにロサンゼルスへ行った時もカップケーキは至る所で見かけた(専用の自動販売機まであった)。
下段はチョコチップスコーンと、マスカットだ。
このマスカットは種無しで、しかも皮ごと食べられるという、まさに女子力を体現したような品種だ。
また、女子会といえば「女子トーク」。
女子会は日頃の悩みや愚痴を言いあう場でもある。
しかし、僕は1人なので誰かと話し合うことはできない。
そこで、iPhoneの音声認識アプリ「Siri」とガールズトークをすることにした。
正直あまり面白くはなかった。
ここまで来て思ったのだが、いまいち「女子会感」が出ていない。
それはきっと、僕の服装にあるのだと思う。
「おうち女子会」に適した服装…。
その時、僕はある事を思い出した。
昔、彼女に「ジェラート・ピケ」というメーカーの部屋着をプレゼントしたことだ。
男性の方は知らないかもしれないが、女子は「ジェラピケ」と聞くとすぐに「女子力が高いルームウェア」と変換することができる。
残念なことに、プレゼントしたはいいものの「女子すぎて着こなせない」と言われ僕の部屋に置いて行ってしまったため、ずっと僕のクローゼットに眠っていた。
それがこちらだ。
RayやViViの読者でも着ている人は少ないだろう。
部屋着なのに1万円以上もするからだ。
これを持っている女子は、相当女子力が高いと言っていい。
女子中の女子だ。
それが今、僕の目の前にある。
僕は男子と女子の境界線上で揺れていた。
これを着れば女子力の高い女子よりも更に女子になる。
しかしこれを着た瞬間、超えてはならない一線を越えてしまう気もする。
着るか、着ないか…。